よみもの

講演の仕事を終え、翌日から自費で一人旅へ。
今回の目的は山を見ること。ドロミテ地方のコルティナ
という町を目指す。

コルティナは四方を断崖絶壁の山に囲まれ、“黄金の
盆地”という異名を持つ。行ってみて、その理由が分かった。
樹々が黄色く紅葉して非常に美しい。
http://doga.jp/~kama/italy/Italy01.jpg

にもかかわらず、秋はオフシーズンだそうで、ほとんどの
ホテル、お店が閉まっている。町に人影はまばら。
日本ではちょっと考えられないことだ。

そのため、山々を見に行こうにも、バスもロープウェイも
すべて運休。（スケジュールが直前まで決まらなかったことも
あって、レンタカーを手配できなかった。）
いろいろ思案したあげく、ある山の登山口までタクシーで
行って、あとは歩くことに。

しかし、これは結構無茶な計画だ。行きはよいが、登山口に
タクシーがいるはずはなく、町へ帰る手段が確保されていない。
「ほしのこえ」のリシテア号のようなものだ。
（よい子はマネをしてはいけません）

一応、登山口から2,3時間下ったところに小さな村がある。
行きのタクシーでその村を通過したときに、ちゃんと人が
いること、一軒の店が開いていることを確認した。また、
行きのタクシーの電話番号も聞いておいた。
つまり、この村まで下りて、タクシーを呼べばよいのだ。

だが、経験的にいって、この手の計画は簡単に破綻する
ものだ。地元の人が“2,3時間で簡単に行けるだろう”なんて
話はまったくアテにならないし。

さて、目的の山“トレ・チメ（三つの頂）”への道を歩き始める。
http://doga.jp/~kama/italy/Italy02.jpg
非常に景色はよく、快適。
http://doga.jp/~kama/italy/Italy03.jpg

ガイドブックには、
“登山口から、初心者用コースを1,2時間行けば三つの頂きが
よく見える展望台まで行ける。道はよく整備され、観光客でも
手軽にハイキング気分を味わえる。中にはベビーカーを押す
外国人客も見られる”
とある。

地元で得た地図にも、トレ・チメをぐるっと一回りする最短コースが
紹介されており、そのコースの一番奥に展望台らしき建物の
マークがある。では、このコースを一回りしたあと、村へ下りる
ことにしよう。

（後半へつづく）

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