よみもの

ちくしょー！　NHK「アニメ夜話」で、全国的に恥をさらして
しまった。こうなったら腹いせに「雲のむこう」の内部資料を
暴露してやれ。（←単なる八つ当たりと言う）

下記のアドレスは、「雲のむこう」の制作の初期、まだストーリー
も確定していなかったときに、私から新海さんに送った資料。

（※基本的にネタバレはあまりありません。）


[グロースターターの解説]
　初期の構想では、眠り姫（サユリ）は、塔に触った瞬間に
目覚めるという内容だった。しかし、“なぜ塔に触れただけで
目が覚めるのか？”その理屈が思いつかないと新海さんに
相談されて、私が考えたのがグロースターター案。

　つまり、塔が正常に作動しないのは、グロースターター
回路が付いてないから。そのスターター回路の役目をサユリの
脳が行っている。
　だから、サユリが塔に触れ（回路がON）、ヒロキが再び
サユリの手を塔からはがした（OFF)瞬間に、塔が起動し、脳の
負荷が無くなったサユリが目覚めるという訳。

　その案を提案した際、グロースターター回路を説明するために
作ったのが、この資料。

　しかしながら、この案はまったく採用されなかった。
　ヒロキは、塔に連れて来さえすれば、サユリは目覚めると信じ
ていたのに、塔に触れてもサユリが目覚めないどころか、
大量の情報が流れてサユリが危篤状態に陥いる。自分のしてきた
ことをヒロキが絶望してしまうシーンなど、結構盛り上がらない
かなぁ。


[主人公の飛行機]
　主人公の飛行機、つまりヴェラシーラ号の初期資料。

　新海さんからの注文は、
    ・一般的な飛行機とは、根本的に異なるデザイン。
    ・しかし、一応飛ぶ理屈は通っているもの。
    ・変形のギミックがある。
という結構無茶な注文

　特に変形のギミックについて、“手作り飛行機が空中で変形して
なんのメリットがあるねん！”との異議に対しては、“いえ、メリット
とかではなくて、そういうシーンを描きたいんですってば”とのこと。

　ということで、大学時代に流体力学や航空力学を少しだけ
かじった知識を元に、円筒翼や超大半径プロペラを提案したときの
資料がこれ。かなりいい加減だ。

　でも、この飛行機の基本構造設計については、ほぼそのまんま
採用された。えっ、全然かっこよさが違うって？（笑）


[青森-室蘭の地図]
　初期の構想では、ソ連の塔は、室蘭に建っていることになって
いた。そして主人公達は青森市。
　
　しかし、“下北半島があるから、青森から室蘭方向を見ても、海峡の
向こうに北海道の地が見えるってなことにならんのとちゃうか？”
ということを説明した資料。
　ついでに地球の曲率や山の高さなどの関係から、塔はどのぐらいの
高さが必要かなどを検討した。

　結論については、最後の１行の通り。

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