牛骨君はいつも、ふと私の脳裏に現れては、比喩的なイメージを残してまた立ち去っていく。そしてそのイメージはいつも、私にとってとても重要なことを含んでいる。
　そんな日常的な「ひらめき」の蓄積が、作品となって結実したのがこの「牛骨君の日常」シリーズです。私にとって牛骨君は、気付いたことを記録する手段であり、ストレスを客観視して緩和する手段であり、言葉にしたら恥ずかしいような想いをこっそりしたためる入れ物でもあります。要するに、かなりオールマイティーです。そして、そんな人目に触れる機会のなかった私の気持ちが、牛骨君を介してこれだけ多くの人とコミュニケートしているという事は、私にとってはかけがえのない幸運です。
　ブラックだけどポップ、シュールだけどリアル。淡々と綴る牛骨君のささやかな日常から、もし何か感じていただければ幸いです。