[一つ前] [一つ次] [前の未読] [次の未読] コンテスト感想 #9 2004/05/12(水) 14:05 投稿者: 辛口御免 以下は一個人の感想や意見に過ぎません。 「そんな考え方もあるんだ」という捉え方でお読み下さい。 ムキになって反論されても、私は考えを変えるつもりはありません。色々な考え方を持つ人間がいるからこそ、他人の作品を見て「面白い」とか「つまらない」とか様々な楽しみ方や見方が生まれ、ひいてはバリエーション豊かな人間の個性が存在できるはずです。特定の思想や意見に集約されなければならないように感じてしまうのは、何がしかの社会性が自身に欠如しているか、単一思想主義やらファシズムを生む元凶(ダークサイド)を心に宿していると危惧すべきでしょう。文化・思想はバリエーションこそが命です。誰もが同じ考えなんて不気味じゃないですか? 1.入選作品 「影遊び」 他のコンテストでも上映されていた作品。CGの技術的な面ではほぼ完成されていて問題のないレベルにあります。ただ、台詞が方言で標準語圏の人間には会話の意味が分かりにくく、いきなり異星人の二人が影踏みを始める展開は導入部分が全くなく唐突です。これだけの絵が作れるのなら、作り上げた世界観に観客をもっと引き込めるようにする工夫も出来たはずです。 「カラテカの野望」 制作者本人のホームページではCG制作をやめてしまったと書いていましたが、せっかくCARRARAでこれだけの作品を作れるのだからCG制作を続けて欲しいと私は思います。さて、作品はカンフーの動きを単純化したオブジェクトで表現し、全体をトゥーンシェーダーで仕上げた意欲作です。テンポもよく最後のどんでん返しもパンチが効いていて面白いので、次回作では更にモデリングそのものに力を入れた作品を見てみたいと思いました。 「カッポロピッタ 〜まんまくいねい〜」 某国営放送がいかにも選びそうな所謂アート作品。まるで綺麗な切り絵が動き出したかのようなファンタージー・ワールドが展開されます。ストーリーは単純です。好き嫌いをしている子供が、三匹の妖精の食欲につられて食事を食べるようになる、それだけです。それでいて10分近い尺は冗長。途中省略してしまっても良いカットが幾つかあります。BGMや効果音は作品の世界観に合っていて可愛らしく、好感をもてました。私としては絵本として楽しみたい作品です。 「Lights」 電球が演じる一発ギャグ作品。CGのテクニックは優れているものの、似たような作品が他にあるのは残念。PIXARのロゴ・アニメーションとダブって見えてしまい、新鮮味がありませんでした。オリジナリティに満ちた次回作に期待したいと思います。これだけの絵が描けるなら他に出来る事はもっとあるはずです。 「どっちもメイド」 秋葉系を地で行く典型的な美少女アニメ作品。メイドが何故怪獣と戦うのか?メイドが何故本当は宇宙人なのか?等といった、現実世界の視点からの批評は意味をなさない「萌え萌え系」の内容です。コメントが難しいです(笑)。商品として成立するならどんどんやればよいと思います。 「引力」 これも某国営放送がいかにも選びそうなアート作品。画力は素晴らしく、見せようと思っている不思議な世界観は良く伝わってきます。しかし、私はこの作品は静止画で完成させるべき内容だと思います。わざわざアニメーションにする必要性が感じられません。恐らく絵本として出版すれば人気の出る作品だと思います。 「卵をみつけた話」 これも秋葉系の美少女アニメ作品。充分に可愛く描かれた美少女キャラと一発ギャグに近いオチの単純なストーリー。上映時間も短く、適度にまとめられた内容は、作品を作りなれていると感じました。作者はアニメ作品は初めてで、今まで漫画作品を描いていたそうですが、その経験がきちんとこの作品でも生かされていると思います。私の個人的な好みの範疇には属さない作品ながら、作品を作り続けていって欲しい人です。 「ねんど」 正直言ってこの応募者の作品はもう見飽きました。年々CGの画力は上がっていきますが、基本的な路線が変わっていないので新しい作品として見る事が出来ません。やりたい事やポリシーが一貫しているのは素晴らしい事であり、どんどん押し進めて行けばよいでしょう。来年は”違う”作品を見せて欲しいと思います。 「りんご色の水」 日常生活の中の何気ない一コマを切り取る作風は前作と同じ。部活の休憩時間に見かけた蛙を助ける、それだけのストーリーです。一生懸命に作っているのは伝わっていると思います。この作品も絵本として完成させたほうが作品の内容がしっかり伝わり、感動も深いと感じました。アニメーション作品を作るなら、アニメーションでなければ伝えられない表現や内容を含めるべきではないかと私は思います。静止画も立派な芸術であり、世間で評価されている優れた表現方法です。 「空へ行きたい」 この作品はアニメーション作品ではないと感じました。静止画のスライドショーです。一つ一つのカットの絵は上手いのだから、これでちゃんと動いた絵を見せて欲しいと感じました。 2.佳作作品 「拳闘巫女こぶしちゃん」 ストーリーが唐突で画力も低く何の脈絡もないアクションムービー。本当はもっときちんとした絵(静止画)を描ける作家なのに、このアニメーションには絵的な魅力がありません。これでいいと思ってわざとやっているならそれも一つの方法論でしょうが、本来の実力を発揮した作品を見せて欲しいと思います。この作家はもっと上手い絵をかけるはずです。 「CREMONA」 「引力」と同じ作家の作品。この作品はどちらかと言うと切り絵アニメーション風です。日本人離れしたヨーロッパ調の画風を構築出来る点には非凡な才能を感じます。デジスタ好みのアート系の作風です。しかし、アニメーション作品として見た場合、台詞の扱い、音の使い方に改良の余地があります。この作品も絵本として完成させた方が評価が高い作品だと感じました。 「Loop pool」 今回の上映作品の中で最も優れていると感じた作品です。音楽との同期、世界観、イメージ、どれもこれもきちんと作りこまれ、画力も充分備わっています。主催者から?な質問が投げかけられていましたが、それにきちんと答えている作者に好感が持てました。伝えたいと思うイメージをきちんと描けている事、それで充分ではないかと私は思います。音楽も上映作品の中でずば抜けて優れていました。 「百合と一郎」 これで三作目のシリーズ作品。回を重ねる度に画力は向上するものの、最後までBGMの質は向上しなかったと感じます。今回の作品はこれまでで最も絵は綺麗なのにつまらなく感じました。何より作品時間が長過ぎます。途中で付け足したと思われるストーリーの「繋ぎ」が分かってしまい、一旦エンドロールを出しておきながら、異常に長い「その後」のシーンが続きます。構成上の不備が目立ち、ちぐはぐな印象が拭えませんでした。 3.エンターテイメント賞 「tough guy!」 既に他のコンテストでも受賞歴のある作品で、実写とCGを合成した作りになっています。短いながらも笑いのツボを抑えた秀作です。ただ、この手の作品は一度ネタを披露してしまうと繰り返し見るのは辛くなります。CM等のインパクトを必要とされる作品作りでは大いに活躍できると思います。技術は充分ですので、優秀な脚本家と組めば更に凄い作品が誕生するかもしれません。 4.作品賞 「文使」 これまでにない「和」のテイストを生かした中世の日本を描いた意欲作。風景の表現や時代を感じさせる建築物の造形には並々ならぬ情熱を感じます。基本的には白拍子と牛使いの恋物語であり、二人の関係を誌的に描いています。まるで古典の世界が鮮やかな色彩を伴って現代に生まれ変わったデジタル絵巻とでも言えましょうか。台詞についても原語(中世の日本語)をそのまま使い、雅な日本語の響きを楽しむ事が出来ます。しかし、その現代語訳のテロップの文字数が多過ぎ、目で追う前に消えてしまうのが残念。もっと省略して大意にとどめても良かったのではないかと思います。これを作るのは大変だったろうと思われ、その労力には恐れ入ります。 *** 影ながら今後のコンテストの繁栄と企業の下請けや制作社員ではなく「CG作家」の誕生をお祈りしています。 [この記事に返信] |
  |
[一つ前] [一つ次] [前の未読] [次の未読] Re: コンテスト感想 #127 2004/06/03(木) 21:17 投稿者: ヒロモト卵 参照記事: 9 感想有難うございます。 あ、秋葉系ですか(汗)確かに分類するとそうですね(笑) 色々未熟なのですが、次も何とか、がんばってみたいと思います。 [この記事に返信] |
    |
[一つ前] [一つ次] [前の未読] [次の未読] Re: コンテスト感想 #141 2004/06/04(金) 17:55 投稿者: 辛口御免 参照記事: 127 > あ、秋葉系ですか(汗)確かに分類するとそうですね(笑) > 色々未熟なのですが、次も何とか、がんばってみたいと思います。 私の目が現実世界の女性の皆様に向いている為、絵の中の女性に慣れ ておらずピンとこなかっただけですから、あまりお気になさらないで 下さい。 私はアニメにおいても、なんかこう女優さんが発している匂い立つよ うな色香を感じるエロスを画面に満載した作品を見てみたいです。秋 葉系と言ってしまいましたが、どちらかというとあまりにも直接的過 ぎて、現実の恋愛における駆け引きやら何やらをすっ飛ばしてしまう ので、面白さが半減してしまうと私は感じます。刺激が強すぎて逆に 萎えると言うか、そんな引いてしまう感じです。これらは今回の作品 とは関係なく私が日ごろ秋葉系に感じている事ですので、どうかご自 身の作品についての感想とは別個の意見としてて考えていただければ と思います。 言うなれば「上質のチラリズム」をアニメでも見てみたいなと私は思 っています。そこにギャグもあれば最高です。 次なる新作に期待しています。 [この記事に返信] |
  |
[一つ前] [一つ次] [前の未読] [次の未読] Re: コンテスト感想 #138 2004/06/04(金) 10:54 投稿者: 文使の栗栖直也 (ホームページ) 参照記事: 9 辛口御免さん、はじめまして。 レスポンス遅くなってすみません。 感想を書いていただいてありがとうございます。文使を見て少しでも楽しんでいただけたのなら、何よりうれしいです。 背景の造形は根気が許す限りがんばりましたので、高評価をいただけてありがたいです。とはいえ、他のスレッドで詰めの甘かった部分の指摘もありますので、次回はもっと頑張りたいです。 字幕に関しては、ついつい細かく説明しがちな私の性格が災いしてしまいました。この手法を今後使う事があれば、もっと気をつけたいと思います。 [この記事に返信] |
    |
[一つ前] [一つ次] [前の未読] [次の未読] Re: コンテスト感想 #142 2004/06/04(金) 18:11 投稿者: 辛口御免 参照記事: 138 > 背景の造形は根気が許す限りがんばりましたので、高評価をいただけ 厳しいご意見も出ているようですが、私はあれで作品としては充分で はないかと思います。ただ、力を入れたシーンが多かったので、少し 弱いシーンが目に付いてしまっただけだと思います。画力を全編を通 して統一させるのは、作品作りをした人間なら分かる事ですが、相当 な集中力と根気を要するものです。言うは易し行うは難し、の例え通 り、周りでやんや言うのは簡単です。 > 字幕に関しては、ついつい細かく説明しがちな私の性格が災いしてし テロップは専門の職人さんがいるくらいに奥が深いものです。ただ、 その技を盗む機会は非常に巷に多く溢れています。テレビ放送、映画 の字幕、その他様々な映像メディアに流れているテロップを見ている と、ある法則の下に彼らがテロップを流しているのがよく分かります。 それらを盗んでしまいましょう。これだけ自然や造形に目が行く方で すから、直ぐに気が付かれるはずです。 今回私が最も感心したのは、男女の愛という世界中に共通するテーマ を主題に置き、さらに誰もが造形上で嫌がる歴史物に挑戦している事 です。そして、台詞に古語を用いている事。これは実に素晴らしいア イデアです。現代語が失った当時の日本人の感性を最も伝えるに相応 しい方法であり、よくぞ古語でやってくれたと感じています。 誰もやらない事に挑戦する。そしてそのアイデアを現実の存在に昇華 させる。これこそが自主制作CGアニメのダイナミズムだと思います。 私が審査員なら文句なくグランプリに推したでしょう。 今後の活躍(新作)を期待しています。 [この記事に返信] |
  |
[一つ前] [一つ次] [前の未読] [次の未読] Re: コンテスト感想 #10 2004/05/12(水) 14:25 投稿者: かまた ゆたか 参照記事: 9 > ムキになって反論されても、私は考えを変えるつもりはありません。色々な考え方を持つ人間がいるからこそ、 (中略) >文化・思想はバリエーションこそが命です。誰もが >同じ考えなんて不気味じゃないですか? ということで、考えを変えて頂かなくても結構ですが、 反論するのはいいですよね? [この記事に返信] |
    |
[一つ前] [一つ次] [前の未読] [次の未読] Re: コンテスト感想 #143 2004/06/04(金) 18:36 投稿者: 辛口御免 参照記事: 10 > ということで、考えを変えて頂かなくても結構ですが、 > 反論するのはいいですよね? 私は反論といった咀嚼(そしゃく)されていないレベルの「感情」で はなく、 「自分はこう思っているのだが君はどうかね?」 といった、一人一人、各個人の意見なら聞きいてみたいと考えてい ます。 私は他人と争う事を好みません。 常に前向きに建設的な意見を交わせるのなら、それが最善であると考 えています。この世に他のいかなる動植物とも等しく生を受け、まし てやCGアニメを楽しめる人間に生まれてきた幸運と奇跡を思うに、 そこで争いに身を投じるのは至極無様に思えるからです。 我々は人間と言う不完全な知性体ではありますが、知性を授かったか らには、さらにそれを進化させる役割を担っていると思います。進化 とは多様性を促すもの。即ち、知性の多様化、思想の多様化、人間の 多様化であり、あらゆる多様化を目指すものです。 CGアニメという知性こそが生み出せた創造物を見るのに、やはり多 様性こそが前提になければならない、と私は考えています。それは、 様々な意見、考え方、見方、そして作品がある事、それこそを大切に していきたいという思いです。 君は君、私は私 だけどお互いにその存在を認め合える 知性における進化の究極の形はこういうものだと私は考えています。 表面上の文章だけで相手の意見を読み取るのは難しく、言語という伝 達手段はコミュニケーションにおける不完全さを残しています。しか し、我々はそれを超えるべく努力しなければならない存在だと思うの です。多様性を失った時、全ては無に帰すると思います。 我ここにあり 君そこにあり 私は常にそう考え、常にプログレッシブ(前向き)であろうとする人 を支持します。 *** 返信が遅れまして申し訳ないです。ご発言の真意を私なりにゆっくり と考える必要がありましたので。私もまだ争いを捨てきれない未熟な 知性を抱える人間です。どうかご容赦を。 [この記事に返信] |
  |
[一つ前] [一つ次] [前の未読] [次の未読] Re: コンテスト感想 #125 2004/06/03(木) 10:20 投稿者: カマキリの岸本 (ホームページ) 参照記事: 9 > 「tough guy!」 > 既に他のコンテストでも受賞歴のある作品で、実写とCGを合成した作りになっています。短いながらも笑いのツボを抑えた秀作です。ただ、この手の作品は一度ネタを披露してしまうと繰り返し見るのは辛くなります。CM等のインパクトを必要とされる作品作りでは大いに活躍できると思います。技術は充分ですので、優秀な脚本家と組めば更に凄い作品が誕生するかもしれません。 > ご感想ありがとうございます。大変うれしいです。 そして、おっしゃるとおり一発ネタは所詮一発ですね。 これの回避は、次々とパンチを繰り出す事しかないと思いますが、漫画と違い制作時間が…。そして、要のネタだってそんなには…。さらには技術だって全然ありません。勘と運と粘着質でパソコンを操る男…岸本。…操れてないのですが。 現在その穴埋めに、四苦八苦しております。 ところで、僕の作品にかんしてなのですが、辛口とあるにしては辛さがちょっと足りないような…。もし、まだ遠慮されているのでしたら、ズバンッと言ってやってください。 皆様の素のご意見をお待ちしております。 でもあんまりヒドイとキズつきますので…ちょっとだけ手加減を…。 [この記事に返信] |
    |
[一つ前] [一つ次] [前の未読] [次の未読] Re: コンテスト感想 #140 2004/06/04(金) 17:40 投稿者: 辛口御免 参照記事: 125 > そして、おっしゃるとおり一発ネタは所詮一発ですね。 その一発が強力で連打で繰り出されたらノックアウトです^^;。 次々に作品を生み出すのは大変な労力と根気を要するものですが、次 の作品を見たいと思わせるポテンシャルを感じています。恐らく様々 なコンテストでの評価は、「次」に期待されてのものだと思います。 即ち「もっと見たい」という意味の「次」です。 私はiMedioさんで拝見していた頃に「うまい!」とPCの前で一人 手を叩いていました。上映会に行って細部まで大画面で見れたのは とてもよい経験で、やはり上映会に行かなければ作品の本当の良さ は分からないと感じました。音楽もライブ演奏が一番なのと同じで すネ。 > ところで、僕の作品にかんしてなのですが、辛口とあるにしては辛さ 良い、そして面白い作品ですから、辛口になれませんでした。後は 作品作りをし易くする環境が整われて、次々に我々視聴者を楽しま せて頂ける事を期待するばかりです。 なので新作お待ちしてます(^_^)v。 [この記事に返信] |
      |
[一つ前] [一つ次] [前の未読] [次の未読] Re: コンテスト感想 #144 2004/06/05(土) 07:32 投稿者: カマキリの岸本 (ホームページ) 参照記事: 140 > 作品作りをし易くする環境が整われて、次々に我々視聴者を楽しま > せて頂ける事を期待するばかりです。 > > なので新作お待ちしてます(^_^)v。 > 身に余るお言葉をありがとうございます。 …それにしても、こうして多くの方々にご感想やご批評をいただくのは、晴れがましくもあり、怖いことでもありますね。 高まる期待感に押しつぶされ……るほど責任感は強くないですが、みなさんを失望させないように頑張ってみます。 [この記事に返信] |