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★ 9. コンテスト感想 辛口御免 05/12(水) 14:05
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┗ 144. Re: コンテスト感想 カマキリの岸本 06/05(土) 07:32
#9
2004/05/12(水) 14:05 投稿者: 辛口御免
以下は一個人の感想や意見に過ぎません。
「そんな考え方もあるんだ」という捉え方でお読み下さい。
ムキになって反論されても、私は考えを変えるつもりはありません。色々な考え方を持つ人間がいるからこそ、他人の作品を見て「面白い」とか「つまらない」とか様々な楽しみ方や見方が生まれ、ひいてはバリエーション豊かな人間の個性が存在できるはずです。特定の思想や意見に集約されなければならないように感じてしまうのは、何がしかの社会性が自身に欠如しているか、単一思想主義やらファシズムを生む元凶(ダークサイド)を心に宿していると危惧すべきでしょう。文化・思想はバリエーションこそが命です。誰もが同じ考えなんて不気味じゃないですか?
1.入選作品
「影遊び」
他のコンテストでも上映されていた作品。CGの技術的な面ではほぼ完成されていて問題のないレベルにあります。ただ、台詞が方言で標準語圏の人間には会話の意味が分かりにくく、いきなり異星人の二人が影踏みを始める展開は導入部分が全くなく唐突です。これだけの絵が作れるのなら、作り上げた世界観に観客をもっと引き込めるようにする工夫も出来たはずです。
「カラテカの野望」
制作者本人のホームページではCG制作をやめてしまったと書いていましたが、せっかくCARRARAでこれだけの作品を作れるのだからCG制作を続けて欲しいと私は思います。さて、作品はカンフーの動きを単純化したオブジェクトで表現し、全体をトゥーンシェーダーで仕上げた意欲作です。テンポもよく最後のどんでん返しもパンチが効いていて面白いので、次回作では更にモデリングそのものに力を入れた作品を見てみたいと思いました。
「カッポロピッタ 〜まんまくいねい〜」
某国営放送がいかにも選びそうな所謂アート作品。まるで綺麗な切り絵が動き出したかのようなファンタージー・ワールドが展開されます。ストーリーは単純です。好き嫌いをしている子供が、三匹の妖精の食欲につられて食事を食べるようになる、それだけです。それでいて10分近い尺は冗長。途中省略してしまっても良いカットが幾つかあります。BGMや効果音は作品の世界観に合っていて可愛らしく、好感をもてました。私としては絵本として楽しみたい作品です。
「Lights」
電球が演じる一発ギャグ作品。CGのテクニックは優れているものの、似たような作品が他にあるのは残念。PIXARのロゴ・アニメーションとダブって見えてしまい、新鮮味がありませんでした。オリジナリティに満ちた次回作に期待したいと思います。これだけの絵が描けるなら他に出来る事はもっとあるはずです。
「どっちもメイド」
秋葉系を地で行く典型的な美少女アニメ作品。メイドが何故怪獣と戦うのか?メイドが何故本当は宇宙人なのか?等といった、現実世界の視点からの批評は意味をなさない「萌え萌え系」の内容です。コメントが難しいです(笑)。商品として成立するならどんどんやればよいと思います。
「引力」
これも某国営放送がいかにも選びそうなアート作品。画力は素晴らしく、見せようと思っている不思議な世界観は良く伝わってきます。しかし、私はこの作品は静止画で完成させるべき内容だと思います。わざわざアニメーションにする必要性が感じられません。恐らく絵本として出版すれば人気の出る作品だと思います。
「卵をみつけた話」
これも秋葉系の美少女アニメ作品。充分に可愛く描かれた美少女キャラと一発ギャグに近いオチの単純なストーリー。上映時間も短く、適度にまとめられた内容は、作品を作りなれていると感じました。作者はアニメ作品は初めてで、今まで漫画作品を描いていたそうですが、その経験がきちんとこの作品でも生かされていると思います。私の個人的な好みの範疇には属さない作品ながら、作品を作り続けていって欲しい人です。
「ねんど」
正直言ってこの応募者の作品はもう見飽きました。年々CGの画力は上がっていきますが、基本的な路線が変わっていないので新しい作品として見る事が出来ません。やりたい事やポリシーが一貫しているのは素晴らしい事であり、どんどん押し進めて行けばよいでしょう。来年は”違う”作品を見せて欲しいと思います。
「りんご色の水」
日常生活の中の何気ない一コマを切り取る作風は前作と同じ。部活の休憩時間に見かけた蛙を助ける、それだけのストーリーです。一生懸命に作っているのは伝わっていると思います。この作品も絵本として完成させたほうが作品の内容がしっかり伝わり、感動も深いと感じました。アニメーション作品を作るなら、アニメーションでなければ伝えられない表現や内容を含めるべきではないかと私は思います。静止画も立派な芸術であり、世間で評価されている優れた表現方法です。
「空へ行きたい」
この作品はアニメーション作品ではないと感じました。静止画のスライドショーです。一つ一つのカットの絵は上手いのだから、これでちゃんと動いた絵を見せて欲しいと感じました。
2.佳作作品
「拳闘巫女こぶしちゃん」
ストーリーが唐突で画力も低く何の脈絡もないアクションムービー。本当はもっときちんとした絵(静止画)を描ける作家なのに、このアニメーションには絵的な魅力がありません。これでいいと思ってわざとやっているならそれも一つの方法論でしょうが、本来の実力を発揮した作品を見せて欲しいと思います。この作家はもっと上手い絵をかけるはずです。
「CREMONA」
「引力」と同じ作家の作品。この作品はどちらかと言うと切り絵アニメーション風です。日本人離れしたヨーロッパ調の画風を構築出来る点には非凡な才能を感じます。デジスタ好みのアート系の作風です。しかし、アニメーション作品として見た場合、台詞の扱い、音の使い方に改良の余地があります。この作品も絵本として完成させた方が評価が高い作品だと感じました。
「Loop pool」
今回の上映作品の中で最も優れていると感じた作品です。音楽との同期、世界観、イメージ、どれもこれもきちんと作りこまれ、画力も充分備わっています。主催者から?な質問が投げかけられていましたが、それにきちんと答えている作者に好感が持てました。伝えたいと思うイメージをきちんと描けている事、それで充分ではないかと私は思います。音楽も上映作品の中でずば抜けて優れていました。
「百合と一郎」
これで三作目のシリーズ作品。回を重ねる度に画力は向上するものの、最後までBGMの質は向上しなかったと感じます。今回の作品はこれまでで最も絵は綺麗なのにつまらなく感じました。何より作品時間が長過ぎます。途中で付け足したと思われるストーリーの「繋ぎ」が分かってしまい、一旦エンドロールを出しておきながら、異常に長い「その後」のシーンが続きます。構成上の不備が目立ち、ちぐはぐな印象が拭えませんでした。
3.エンターテイメント賞
「tough guy!」
既に他のコンテストでも受賞歴のある作品で、実写とCGを合成した作りになっています。短いながらも笑いのツボを抑えた秀作です。ただ、この手の作品は一度ネタを披露してしまうと繰り返し見るのは辛くなります。CM等のインパクトを必要とされる作品作りでは大いに活躍できると思います。技術は充分ですので、優秀な脚本家と組めば更に凄い作品が誕生するかもしれません。
4.作品賞
「文使」
これまでにない「和」のテイストを生かした中世の日本を描いた意欲作。風景の表現や時代を感じさせる建築物の造形には並々ならぬ情熱を感じます。基本的には白拍子と牛使いの恋物語であり、二人の関係を誌的に描いています。まるで古典の世界が鮮やかな色彩を伴って現代に生まれ変わったデジタル絵巻とでも言えましょうか。台詞についても原語(中世の日本語)をそのまま使い、雅な日本語の響きを楽しむ事が出来ます。しかし、その現代語訳のテロップの文字数が多過ぎ、目で追う前に消えてしまうのが残念。もっと省略して大意にとどめても良かったのではないかと思います。これを作るのは大変だったろうと思われ、その労力には恐れ入ります。
***
影ながら今後のコンテストの繁栄と企業の下請けや制作社員ではなく「CG作家」の誕生をお祈りしています。
このページのURLは http://doga.jp/tkbbs/tkbbs.cgi?bbs=contest16b&number=9 です
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