#38
2005/06/01(水) 21:43 投稿者: 辛口御免
今回の入選作は2作品を除いて非常にレベルが高く、辛口御免的に「満点」です。
そんなわけで今年は気になった一作品だけ感想を書きます。
『都市東京』
危険で周囲に迷惑な「歩き携帯」の映像が、私には馴染めませんでした。たかが一個人の意見に過ぎませんが、私にはそう思う理由があります。以前「歩き携帯」をしていた若い女にぶつかられ、逆ギレかまされた経験があります(彼女は警察に連れて行ってもらいました)。他にも若い男(見るからにやんきー)に同じような目に遭っている気の毒な中年のオバさんを見かけた事があります。更に、階段で携帯でメールを打ちながら、無言で階段を一番下まで転がっていった女子高生も(救急車で運ばれていきました。無言だったのが恐い)。但し、この作品が「歩き携帯」をして自分の世界に閉じこもっている一般大衆を辛口に皮肉っている作品であるなら、私は『都市東京』を「傑作」と評価します。素晴らしいです。
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「これで入選?」と思う作品が入選作品の中に2作品ありましたが、ここには書きません。一個人の主観でしかありませんし、作者の方に失礼ですから。
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ところで、辛口御免は「アート系アニメが嫌い」と思われているようですが、そんな事はありません。最近は評価が変わってきています。今年の入選作『かがみのげんおん』は素晴らしい作品でした。こうしたアート系作品の中で試みられた表現が、やがて商業アニメ作品や他の作家さんの模倣によって咀嚼されていく行く末(様子)が見えるような作品です。
ただ、ストーリーがないと既存のテレビアニメを見慣れている方には、アート系のアニメは退屈なものに思えてしまいます。何をどう楽しんだらいいのか分からないから苦痛だ、と。他人から与えられる事に慣れきったた目には特にそう見えるでしょう。難しいところですが、アート系のアニメは、観客側にも「見る目」が求められていると思います。
色々な表現を許容するCGアニメコンテストですが、良くも悪くも、そろそろ「応募部門分け」が必要な時期に差し掛かっているのではないか?と私は思います。今年のレベルの高さを見ると、既に機は熟していると感じます。つまり、アート系、ストーリー系、ギャグ系、等々のジャンル分けについてどうか検討して頂けないか?と。例えば「外伝」の分類はとても分かりやすいです。
あまりにもバラエティがあり過ぎて、明らかに異なるジャンルの作品が並んで入選していると、一般の人には「どうしてこの作品が入選なの?」という疑問が残り、応募者(特に落選した人)には「審査についての不満」が残る、そんな感じを客観的に傍から見ていて受けます。
勿論、上記は、たかが一億二千万分の一人の提案に過ぎません。ただ、こういった一意見を持つ観客も中にはいるという事で、ご理解いただけないかと思う次第です。
<おわり>
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