ありがとうございます!

韓国でも宮崎監督は有名です。そして多くのファンがいます。だから宮崎監督が好きだと言えばとても平凡になる気がします。私は香港の映画監督、ウォン・カーウァイ(「ブエノスアイレス」等を作った)監督と宮崎監督の影響を沢山受けました。もともとは｢ガンダム」みたいなロボットが出るアニメーションを作りたいと思ったんですが、全然違うアニメーションを作っているから、時々少し変だなあと思ったりもします。

私が最も好きな宮崎監督のアニメーションは「魔女の宅急便」です。このアニメーションは大人として独立するようになる魔女の女の子の成長に関するお話です。
私が一番好きな場面は最初のほうで主人公のキキがほうきに乗って飛んでいる途中、猫に「ジジ、ラジオをちょっとつけて。今、手が離せないの」と言うと、猫がよろけながらほうきの前の方に行ってラジオをつけるとオープニング主題歌が流れる場面です。オープニングの曲も60年代の米軍クラブで流れるような歌なのに、不思議にこの作品によく合うと思いました。空を飛ぶ場面もこの作品では自転車に乗るのと同じくらい自然にほうきに乗って飛ぶ女の子を描いています。また、魔女へ対する人々の反応も体操が上手な女の子を見る視線程度の驚きを持っているだけで、特別おかしな存在として眺めてはいません。私はこのような「私と違うもの」が自然に受け入れられている世界が好きです。

今、作っている作品は30分ぐらいのアニメーションです。怠け者の性格ですが、良い作品を作るため努力していきます。ありがとうございました。

(代筆・今出)