12日からのフランス出張では、
前半は打合せや講演などの日程が
ばっちり決まっていました。

しかし、後半４日間は結局アポが
取れず、パリの街を観光することに。

こんな感じに…

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8:30　すっかり夜も明け、さぁ出発だ。
今日はどこへ行こうかな。
よし、印象派の絵を見に、オルセー美術館へ行こう！

まず、最寄りのメトロの駅へ行く。
ん？　なんか様子が変だ。人々が駅周辺にたむろってるぞ。

改札口に近づいてみると、マシンガンを持った兵士が立ちふさがる。
どうやらストで電車の本数が減って、乗客があふれ、危険なので
入場制限しているらしい。

そのときトランシーバーに“もう少し入れてもよい”と連絡が
入ったらしく、たまたま構内へ入れてもらえる。しかし、構内も
人であふれており、ホームに続く階段のところで並んで待つ。

…全然前に進まないんですけど。というか、電車動いている？
電車の音がしないんですけど？　おかしいなぁ。

20分ほど待ってみたが、まったく列が進まない。想像するに、
階段がこの状態ということは、ホームにも人がいっぱいな訳で、
たぶんそれは隣の駅も、その隣の駅も同じ。例え電車が来ても、
満員で乗れないんとちゃうの？

断念。埒があかないのであきらめる。

ちなみに周辺の道路には車があふれ、交差点内は曲がれない車が
クラクションを鳴らし、ある者は車から降りて怒鳴り声を上げ、
騒然としている。
ということで、タクシーやバスを利用するってのは全然無理。
（バスもストでほとんど動いてないだろうし）

どうしよう？　地図をにらんで考える。

※関係ない写真１：何でもないパリの街角
http://doga.jp/~kama/paris/paris01.jpg



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そうだ、メトロの線によってストの状況は違うという話だし、別の
線の駅に行ってみよう。ここよりは状況がよいかもしれない。
500mほど歩いて別の駅に行く。

ほら、兵士なんかいない！…と中へ入ってみると、結局は同じ。
ホームへ向かう人の列ができている。でも、さっきよりましか。
20分並ぶと５ｍほど前進する。
…乗れないことには代わりはないっちゅうねん！

もう、電車はあきらめる。

電車も、タクシーもバスもダメなら、どうしよう？　ここから
歩いていける観光地って、モンマルトルの丘だけだしなぁ。そこは
昨日行ったから、２度行っても仕方がないしなぁ。

※写真２：昨日行ったモンマルトルの街角
http://doga.jp/~kama/paris/paris02.jpg



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よし、ここは自転車だ！
この夏登場したパリの新兵器、レンタル自転車のビブレを紹介
せねばなるまい。

この自転車、１日１ユーロで登録すれば、１日何回利用しても
無料というとっても格安なシステム！　でもって、平均して
400m間隔で無人のレンタルステーションが設置されており、
そこに20台ぐらいの自転車が置いてある。どこで借りて、
どこで返してもいい。全部自動販売機のような機械で簡単に
貸し出し、返却ができる。スゲー画期的！

まずは、ステーションを探そう！
400ｍ間隔であるというけど、すべての通りにあるわけではない。
ランダムに設置されているから、探すと意外に見つからない。

あっ、あそこにあった！　自転車も４台残っている。さぁ、
借りてみよう。
…４台とも故障中。
そうだよなぁ。みんな考えること同じだよなぁ。

こうなったら、とりあえずオルセー美術館の方に向かって
南へ歩いて行こう。途中でステーションを見つけたら…。
あっ、あそこに！　…でもここも全部貸し出し中。

この調子で結局30分以上歩くことになる。

※関係ない写真３：電車を待つ男（日曜はすいていた）
http://doga.jp/~kama/paris/paris03.jpg


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…ここのステーションもすべて貸し出し中だ。

そこにちょうど返却しに来た人が。ラッキー。早くこの自転車を
借りよう。（自販機をまごまご操作していると、ワンタッチで借りれる
カードを持っている人に横取りされることがある）

さぁ、自転車で出発だ。自転車は楽だし、早いし、とっても快適！
ルンルン。

おっと、でもこの道は一方通行だ。迂回しないと。
（パリでは、自転車はオートバイと同じ交通ルールが適用される。
右側通行だし、歩道も走ってはダメ。）

あれ？　こっちの道も一方通行なの？　じゃあこっちしか行け
ないやん。でもそうすると、ほとんど反対方向なんですけど。
しかたがないから、一端この横道に入って、次の角を…ダメだ
こっちも行けない。

パリの街は、直角に交わる交差点はほとんどなく、ほぼすべての道が
斜めになっている。私は方向感覚にはかなり自信がある方だが、３回も
曲がると方向が不安になる。特にこの季節は一日中どんよりと曇って
いるので、太陽で方角を確認することができない。

それから、このレンタル自転車、30分以内に返却しないといけない。
もっとも、返却してまたすぐに借りればいいんだけど。
でもそのためには当然ステーションを探さないといけない。
これがまたなかなか見つからないんだな。
15分も走れば、そろそろ不安になって返却のステーションを探し出し、
25分も経つとかなり焦る。

う〜ん、この通りを走っていてもステーションはなさそうだ。
ちょっとこの道に入ってみよう。ないなぁ。こっちの道は？
あっ、あった、あった。一端返却して、再び貸し出しと。
（このとき、貸し出しを待っている人がいれば、そちらの人が優先に
なると思うが幸い誰もおらず、第一自転車もたくさん停まっていた）
さぁ、再出発だ。

…で、ここはどこ？　どっちに向かって走ってるの？　もうセーヌ川に出て
いるはずなんですけど？

※関係ない写真４：何でもない店の入り口
http://doga.jp/~kama/paris/paris04.jpg



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やったぁ！　ついにオルセー美術館に着いたぞ！　疲れた。長かった。
３時間半かかってるやん。これなら、最初から歩いて来れたんとちゃうか？

えっと、まずはこの自転車を返却しないといけないですね。
…あれっ？　ステーションないやん。
ちょっと周りを走ってみるか。う〜ん、ないなぁ。もう少し遠くまで
探してみよう。あっ、こっちは一方通行か。じゃぁ、迂回して。
…だんだんオルセー美術館が遠くなる。

やっとステーションあった。　ガーン！　今度は満杯で返却ができない。
そうか！ 通勤時間帯が終わって、それまで利用していた人がいっせいに
自転車を返却しちゃったんだ。これはヤバイ。

案の状、次に見つけたステーションも、その次も満杯で返却不能。
30分のレンタル時間はゆうに過ぎ、追徴の１ユーロが加算。
（満杯時は自販機で手続きすれば15分延長されるらしいがその
方法がわからない）

結局、オルセー美術館から遠く離れたルーブル美術館の近くまで
行ってやっと返却。（ちなみにルーブルは今日は休館日）
ここからオルセー美術館に歩いて戻らないといけない。
あっ、雨が降ってきた。

雨の中、とぼとぼと公園を横断して、セーヌ川を渡って、
これでホンマに目的地に到着。

※関係ない写真５：エッフェル塔にて
http://doga.jp/~kama/paris/paris05.jpg


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…えらい列やな。これみんな美術館入場の人？　また並ぶの？

ちょっと、めまいしてきた。
美術館に入る前に、とりあえず、昼飯食べていい？

※関係ない写真６：ドーム協会にて
http://doga.jp/~kama/paris/paris06.jpg



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　30分ほど並んで、ついにチケットを購入。

えっ？　５ユーロでいいの？　今日は割引日かな。なんか知らんけど
ラッキー！

さてとちょっとせっかく来たんだからゆっくり見ましょう。

※関係ない写真７：なんでもない街角
http://doga.jp/~kama/paris/paris07.jpg



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　おかしい…。どう見ても、これらの絵、印象派以前の古い絵や。

　古い絵には興味がないから、ルーブルではなくオルセーに来たん
やで。美術館に飾っている絵やったら、なんでもありがたがって
見るほどヒマやないで。

　ふむふむ、オルセー美術館のメインである印象派の絵は、上の階か。
でも、上に行く階段やエスカレーターはみんな封鎖しているんですけど。
他の来場者も階段の前で文句を言っている。

　どうやら、ストのせいでスタッフが少ないとかなんとかの理由で
今日は下の階だけしかやっていないということらしい。

　あっ、だから入場料あんなに安かったんだ。
　でも、どんなに安くても、肝心の絵がなきゃ意味ないやん！

※関係ない写真８：横断歩道を渡る女の子
http://doga.jp/~kama/paris/paris08.jpg



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　メトロの駅まで歩きながら考える。
自転車の貸し出し状況から推測するに、朝、メトロが混んでいたのは
通勤時間帯やったからでは？　ということなら、今ならまだ乗れるはず。
逆に、５時になったらもう乗れない。
　さっさと宿に帰ることにする。

　やはりメトロはすんなりと乗れる。ただ、かなりの満員で、途中の
駅では乗れない人も出ていた。

　宿の近くまで戻って、早めの夕食。

※関係ない写真９：なんでもない街角
http://doga.jp/~kama/paris/paris09.jpg



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5:30　宿に到着。だんだん暗くなっていく。
この辺治安もよくないし、第一周りに散策するようなところないし。
もう、何もすることがない。

ノートPCに今日の日記を付ける。

※関係ない写真10：線路
http://doga.jp/~kama/paris/paris10.jpg



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9:30ごろ　宿のロビーで日本人OLの二人組に会う。今、帰って来た
ところだと半泣きで言う。

“今日はパリ初日ということで、日が落ちるころには戻ろうと思っていた
んですが、メトロに乗れなくて…。でも、そのメトロに乗らないと帰れない
ので、ずっと辛抱して待っていたんですが、来る列車も満員で、何本来ても、
いつまでたっても乗れなくて…”

まだパリでがんばっている旅行者の皆様へ。
早くストが終わることをお祈り申し上げます。

※関係ない写真11：お月様
http://doga.jp/~kama/paris/paris11.jpg



[この記事に返信]

ほんと大冒険でしたね。
お疲れ様です。

ストですが、いまはほぼ平常どおりになってきましたよ。
http://www.cahierdeparis.com/1_%83p%83%8A%82%CC%83X%83g%83%89%83C%83L%8D%C5%90V%8F%EE%95%F1%81i%90%8F%8E%9E%8DX%90V%81j_1319


[この記事に返信]

> ほんと大冒険でしたね。

冒険ってのは、リスクを冒して
得るものがあるのですが、
今回の場合、骨折り損というか
リスクしかないって感じでした。

> ストですが、いまはほぼ平常どおりになってきましたよ。

ホンマにストに合わせて行ったような
もんです。今回の日程は。



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