UniversalRunner The Contest Opening
〜カット37 なんじゃこりゃあ


カット34

c34.jpg

戦闘機のHMD表示です。わずか18フレームほどですが、結構アレな作りになってますので
ややねっとり行きます。
とりあえず完成カット(c34.mpg 29KB)

このカットの構成要素は艦隊、サーキット群、そしてHMDのロックオンカーソル表示などです。
まず艦隊画像とレース場などをレンダリングしました。
(c34b.mpg,31KB)

完成ムービーと比べると分かりますが、画面には振動を加えています。
普通L3で画面を振動させるには、視点や注目点を移動物体とし、細かくキーフレームを
打って振動させることになると思いますが、L3では視点や注目点を多関節物体に含めることもで
きないので一度振動付きで設定された視点や注目点に別の動きを当てはめる
(振動しつつ動いていく、みたいな)ことは出来ません。

というわけでここでは

こんな風に、先にレンダリングした映像(動画)をポリゴンに張り付けたものを、

位置を微妙にずらして、6種類ばかり作成しました。

もうおわかりですね。物体切り替えで振動を出したのです。

これをモーションエディタに移動物体として読み込み、始点終点重ね紫マーカー消します。
この状態では、物体は移動しませんが、物体切り替えは有効になります。
もちろん画面いっぱいになるよう正面から捉え、今回は「切り替え候補選択」を「ランダム」に設定しました。

そんでロックオンカーソルをこんな風に作り、これまた物体切り替えを使いながら
画面上に配置しました。実際には、何も表示されない物体(Nil)も用意して、
それと交互に点滅させ表示してます。

LockOn04→nil→LockOn03→Nil→LockOn02→Nil→…

こんな感じかな。


こんなのはなんとか通常のモーションデザインでがんばるよりも
数百フレームもないなら、こうした力業の方が作業が速かったりするものです。

そして、ビデオカメラを通した映像、ということで画面にスダレ状のフィルタを掛け、全体的に
青みがからせています。しかしその作業はLQで一発なので今更解説しません。

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カット35

c35.jpg

パイロットのヘルメットに写り込むロックオンカーソルの群。一体何目標ロックできるFCSなんだか。
結論から言うと、ここも動画背景球です。

まずカット34で用意した、ロックオンカーソルを画面全体に散らし、

と、

2種類の画像を作ります(実際は512x512くらい)
2種類あるのは、カーソルの赤マーカーの点滅を出したいからです。ですので、
カーソルの位置自体は同じです。

そしてこれをそれぞれ、bgconvに放り込みます。

6つの画像は全て同じ画像でもこの場合は問題ないです。

それぞれについて、こういう背景球画像を得、これらをAVIにまとめ、背景球に指定しました。
もちろん、この場合背景が直接写り込むようなアングルでは使えませんが。


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カット36

c36.jpg

見下ろし(?)

まあ、このカットはあまり書くことないですね。
ちゃっちゃと作っちゃったし。

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カット37

c37.jpg

サンディバストショットサイズからカメ引きます。
…なにげに物体を配置し、最後にカメラの位置を決めたら

なんじゃこりゃ。DirectXがなんかトラブったか? と思って「作画」しても

…コワっ!

この場合、サーキット全景を含むシーンの規模が大きいので、マシンやコックピットが相当小さな
縮尺になります。そのため物体が前面クリッピング平面に引っかかったり座標計算の精度が悪く
なったりしたようです。昔仕事で惑星と宇宙船を同一スケールで扱おうとしてそんな目
に遭った事もあります。そのときはLightWave3Dだったので、L3特有の現象というわけ
ではありません。この場合は、余計なサーキットを削除しシーン全体を拡大して解決しました。

巨大な空間に極端に小さな物を置いて、あまつさえそれをアップで見せたい時には注意しましょう。
とかいう教訓を残しつつ、今回はこの辺で。


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