インターレース表示とノンインターレース表示の違い

まずはじめに、用語の解説です。

フィールド
1/60秒に表示される画像のこと。縦480ラインのうち、奇数ラインだけからなる 奇数フィールドと、偶数ラインのみからなる偶数フィールドの2種類がある
フレーム
1/30秒に表示される画像のこと。1つのフレームは奇数フィールドと偶数フィ ールドの2フィールドから成り立っている

インターレース縦480ライン、60fps表示の模式図(いわゆる普通のテレビ映像など)
1フレーム目 2フレーム目 3フレーム目
動画 奇数フィールド 偶数フィールド 奇数フィールド 偶数フィールド 奇数フィールド 偶数フィールド
下側の○の位置は毎回変わっている。また、奇数ラインと偶数ラインを交互に描いているので、1枚の絵だけを見たら解像度は240ラインしか無いが、長い目で見ると縦480ラインある。
もっとも、ノンインター480ライン60fpsと比べると一目瞭然だが、480ラインの表示 を行っているからといって、人間の目で見て、480ライン分の解像度があるわけではない。経験的には、7割程度の解像度になると言われている。
 
ノンインターレース縦240ライン、60fps表示の場合
下側の○の位置は毎回変わっている。だが、縦方向の解像度は半分しか無い
本来のビデオ信号では、このような表示を行うことは無い。だが、ゲーム機などでは 常に奇数フィールドだけを表示することで、このような画面を実現していることが 多い。 このモードの場合、画面に近づいてよく見ると、ラインとラインの間に黒い隙間が見える。
 
インターレース縦480ライン、30fps表示の場合
この2枚で下側の○の位置は変わっていない 以下、2枚(1フレーム)ごとに、○の位置が動いていく
表示機能的には、インターレース縦480ライン60fps とまったく変わらない。 単に動きがとぼしくなっただけである。 つまり、縦480ライン30fps を描画するだけの性能があれば、自動的に60fps は 実現できるのである。
 
ノンインターレース縦480ライン、60fps表示の場合
パソコンでのVGA表示などの場合、60fps だが、毎回縦480ラインの描画を行っている。 こうして見れば、画質の差は歴然としているだろう。 普通のビデオ信号を、 こういったノンインターレースに変換して表示するような テレビが発売されているが、その場合は、これだけの画質向上が見込めるわけだ。

注1

ここでは、ここの画像は一枚の静止画として表示しているが、実際のディスプレイ では、一枚の画像の表示は上から順番に1ラインずつ行っており、瞬間瞬間には、 1点だけが光っているにすぎない。それが、蛍光体の残光時間と人間の目の残像に よって1枚の絵のように見えているだけある。
この残像の様子を模式的に表すと、以下の画像のようになる。

注2

ここでは、動画表示にアニメーションGIFを使用した。その表示速度は 模式的なものであり、正しく60fpsで表示しているわけではない。 ちなみに私の環境では、15fps 程度しか出なかった。つまり、60fps/30fps の比較ではなく、15fps/7.5fps の比較を見ているわけである。 実際のビデオ信号ではもっと描画速度が速いため、これほどインターレース とノンインターレースのちらつきの差がで出るわけではない。


更新履歴

1999年1月18日AM5:00
とりあえず作った
1999年1月18日PM2:00
スキャンの解説を追加
taka2@doga.co.jp
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最終更新: 1999年1月18日