この作品で一番苦労したのはキャラクターのアニメーションです。特に、キャラクターの身に付けている帽子の動きは、キーフレームによる手作業で行ったので、かなり時間がかかりました。表情は鏡で自分の顔を見ながら行い、体の動きは自分で動いたり友達に演じてもらったりしました。作品のコンセプトは人間の欲望です。物欲、性欲、そういった誰もが持っているものを作品のコンセプトにしようと考えました。登場人物としては、セリフなしでうまく心情を表現できそうなキャラのピエロを選びました。一人のピエロがストーリーの中で自分の醜い欲望を知り、考え方が変わっていく過程を自分なりに描きました。コンセプトやストーリーをしっかりと考えて、キャラクターの気持ちをうまく伝え、登場人物にある種のキャラクター性をもたせるという目標が僕の中にありました。ひとつの作品として成り立っていると思っていただければうれしいです。