◆外伝とは

 応募作品の中で、入選するのはほんのわずかに過ぎず、選外になった作品の中にも魅力的なものがたくさんあります。“そんな作品を、このまま世に出さないのはもったいない!”と思ったDoGAのスタッフが、作者の了解を得て、DVDに収録したのが「外伝」です。

 元々は、外伝だけ別のDVDにしていたのですが、それだと割高になることから、昨年から2層化して1枚のDVDに納めるようになりました。

 なお、外伝の選出は、審査員の方々ではなく、DoGAのスタッフによって、好き勝手に行われています。

◆外伝大賞について

 例年外伝大賞は、審査員に対するDoGAの異議申し立て、つまり“こんな作品もアリでは?”という意図があったのですが、今回は特に異論はありません。

 本作品も、本審査の次点であり、審査員の一部に強い支持があったので、外伝大賞としました。

◆ピックアップ

 外伝に選ばれた作品の中から、いくつか特筆すべき作品をご紹介しましょう。

○サイエンスを、正しく、楽しく。

 CGアニメコンテストや裁判員制度との関わり、そして成し遂げた成果といった作者の瀬尾さんの波瀾万丈なバックボーンを知ると、この作品の歴史的意義が分かります。審査員の中には、賞を与えるべきだとの声もあり、入選した「JAPAN」と最後まで競いました。

 いかんせん、作品を見ただけではその壮大なバックボーンが分からないので、単なる寄せ集めにナレーションを付けただけに見えてしまいます。

 バックボーンを知りたい方は、作者名で検索してみてください。

○聖エトワール学院

 “難しい国際問題を女子校内に置き換えて表現する”というアイデアは秀逸で、驚きました。しかしながら、風刺としての鋭さに欠け、テーマ性が弱くなったのが残念です。今後続くという2話、3話に期待します。

 また、この紙芝居に近いぐらいほとんど動かない表現については、さほど気にならないし、この手法も突き詰めれば十分ありかと。

○EGOISM

 ストーリーも分かり易く、表現もおもしろいのですが、キャラクターデザインがインドネシアなどの影絵(ワヤン・クリ)そのまま。それ自体は構わないのですが、ワヤン・クリを使う必然性が分かりません。

○Scripta volant

 文字をアニメーションさせるという手法自体は、めずらしいものではありませんが、それだけで作品すべてを構成させ、消し残しを効果として利用しているのはおもしろかったです。

 しかしながら、英語が分からないと、文字の動きだけでは、さっぱり内容がつかめず、それが13分以上続くのは、ちょっと辛かったです。