よみもの

ありがたいことに、先日のNHKの番組についての
感想メールなどがまだ届いている。

それらを見ると、いくつか共通の傾向に気が付く。
実態と番組の両方を見た者として、
マスコミを通じて得る情報というものは、
事実と異なっていたり、偏りがあるというということを
改めて感じさせられる。

例えば、“日本の作品はストーリーが弱かった。外国の
作品はストーリーやテーマ性が明確だった”との意見がある。

確かに今回持って行った３作品は、ストーリーやテーマが
凄く強いとはいえないだろう。

でも、じゃぁ他国の作品のすべてが本当にストーリーやテーマが
しっかりしていたかといえば、正直言ってそれはかなり疑問だ。

しかし、TV番組の方では、そういった作品には、解説
（ナレーション）でストーリーやテーマを説明していた。

だからDoGAのスタッフ内では、そのナレーションを聞いて、
「えっ、あの作品、そんなストーリーだったの？　全然
わからんかった。」
「これって、NHK側で勝手に付けたんじゃないやろか。
作者に確認取っているんかなぁ。」
などと、ツッコミを入れていた。（笑）

つまり、番組制作側としては、ストーリー等が弱い作品をそのまま
放送したら番組として成立しないので、そのへんを補助する。
逆にストーリー等がしっかりした作品は、見れば分かるだろう
ということで、あまり触れない。

その結果、視聴者には、どの作品がストーリーをしっかりしているのか、
正確な判断ができなくなっているという訳だ。


それから、視聴者は、マスコミからえら得た情報で、すべてだと
思いこむ傾向も感じられた。

例えば、日本の３作品の中では、「trip」が好評なのだが、
その理由は“実写とCGを合成しているのが斬新”だと。

しかしながら、CGアニメコンテストをずっとご覧になっている方
ならご存じの通り、実写合成のCGアニメなど、パーソナル
CGアニメの黎明期から存在し、別にそんなに珍しい手法では
ない。

だが視聴者にはそんなことは分からない。
今回の番組で実写合成作品は唯一だったので、
パーソナルCGアニメ全体の中でも斬新だと思ってしまう訳だ。


こうしてみると、自分が日頃マスコミから得ている情報も
きっと事実と全然違うのだろうなぁ。

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